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第5編 有機物質の性質
255 〈芳香族化合物の分離と構造決定〉 ★★調
分子式 C23H20 O で表される芳香族化合物Aを芳香族化合物Bに溶かした溶液があ
る。 以下の (操作), (実験) をそれぞれ行い, A,Bの構造を決定した。 下の問いに答
えよ。 (原子量: H=1.0, C=12,0=16)
(操作)
上の溶液にNaOH水溶液を加え加熱した。
冷却後、右図にしたがって分離した。 すなわち,
ジエチルエーテルで抽出し, エーテル層からB
とCの液体混合物を分離した。
次いで、沸点の差を利用して純粋なBとCに
分離した。
一方、水層に常温・常圧で十分にCO2を吹
き込んだ後,再びエーテル抽出を行うと, エー
テル層からはDが得られ, 水層に塩酸を加え
たら化合物Eが白色の結晶として得られた。
(実験)
1.37.0mgのBを完全燃焼させると, 123mg
の二酸化炭素と31.5mgの水が生じた。 Bの分子量を測定したところ, 100~120の
間の値が得られた。 また, Bのモノニトロ化合物は3種類存在し,さらに,Bを過
マンガン酸カリウムで酸化するとFが生成した。
2. 室温で 732mgのCに十分量のナトリウムを反応させると, 標準状態に換算し
て a |mLの水素を発生した。 Cに濃硫酸を加え加熱すると脱水してGになった。
Gをニッケル触媒下で水素と反応させるとエチルベンゼンが得られた。 Cに水酸化
ナトリウム水溶液とヨウ素を加えて温めると, 特有の臭気をもつ黄色結晶Hが生成
した。
3.Dを水酸化ナトリウム水溶液に溶かし,これに塩化ベンゼンジアゾニウムを反応
させると、橙赤色の化合物Iが得られた。 また, Dの酸化によってカルボン酸」が
得られたが,Jはアセチルサリチル酸の加水分解によって得られる化合物と同一で
反応混合物
(3528)
エーテル層
B, C
ジエチルエーテル抽出
HOM
水層
CO2
ジエチルエーテル抽出
エーテル層HE 水層
DHCI
E
あった。
4.EはFの異性体であり, Eを230℃で加熱すると分子量が18減少したKに変化し
た。
(1) 下線部の操作を何とよぶか。
(2) 化合物 A,B,C,D,H,I, K の構造式をそれぞれ記せ。 ただし、いくつかの構造が
考えられる場合は,そのうちの1つだけを示せ。
(3) 文中の空欄a ] に適当な数値を記入せよ。
(神戸大改)
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