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C ポリメラーゼ連鎖反応法
クローニングは,細菌を利用して増やす方法が一般的であっ
れんさはんのう
けたからとって
た。しかし現在では,温度変化を与えることで,試験管内で短
時間に目的のDNA断片を10億倍以上に増やせる方法が広く用
ほう
いられている。この方法は, PCR法 (ポリメラーゼ連鎖反応しません
法) と呼ばれ,生物学の研究だけではなく, 個人を識別する
ほう
DNA鑑定やウイルス感染の有無を調べる実験や検査など,社
会的にも幅広く用いられている。 PCR法は, 増やしたい塩基
にんい
配列の部分を切り出す必要はなく,精製したDNAから任意の
部分の塩基配列だけを増幅することができる(図3)。 そのため
はさ
してるか調べ
通常の
DNAが
逆的に
られる
ねつきん
熱菌
くい
菌か
を実
●PCR法ではおもに
また
PCR法において用いら
る2つのプライマーの
アンチセンス鎖の3に
結合するように設計された
ものをフォワードプライヤ
センス鎖の側に
には,増やしたい任意の塩基配列の部分を挟み込むような形で
2つのプライマーを設計する。 プライマーとは,DNA複製のAMG
起点となる短い1本鎖のRNAまたはDNA断片である。 PCR
法では、2つのプライマーと, 鋳型となる2本鎖DNA, DNA
ポリメラーゼ,そしてA,T,G,Cの塩基をそれぞれもつ4種
するように設計されたもの
をリバースプライマーとい
。平和の
類のヌクレオチド(デオキシリボヌクレオシド三リン酸)を適切?考えてみよう
へんせい
な量ずつ混合し, 温度変化を与える。 まず, 95℃に加熱して
温度変化サイクルを
鋳型となる2本鎖DNAを1本鎖DNAに分ける (変性)。次に30回繰り返すと
論上,DNAを何倍に
55℃に冷却してそれぞれの1本鎖DNAにプライマーを結合さ
せる(アニーリング)。 そして, 72℃に加熱してDNAポリメラー
しんちょう
<
かえ ②
増幅できるだろうか。
②この温度変化を自動で行
う装置をサーマルサイク
発
ゼに複製させる(伸長)。 この3つの過程を繰り返すことで, 2
つのプライマーに挟まれた部分は大量に増幅される。
時間
95°C
wwww
72°C
55°C
15°C
1
増幅させたい N
プライマー
2回目
PCRに必要
なもの
ヌクレオチド
DNAポリメラーゼ
塩基どうしの弱い結合が
切れて1本鎖になる。
プライマーと1本鎖が結合し,
部分的に2本鎖を形成する。
加熱すると複製が始まる。
①95°C 変性
②55°C : アニーリング
③72°C : 伸長
約30サイクル繰り返す。
図3 ポリメラーゼ連鎖反応法 (PCR法) の原理