参考 熱化学方程式
本書では,エンタルピー変化を化学反応式とAHで表している。 例えば, 炭素 (黒
鉛) と酸素から二酸化炭素が生じる反応は, 式 (a)で表される。
C (黒鉛) +O2(気) → CO2(気)
AH=-394 kJ
(a)
しかし、この表し方以外に, 式 (b) のような表し方もある。
C (黒鉛) +02(気)=CO2(気) +394kJ- AH と, 符号が逆の値を書く
(b)
式 (b)のように,式 (a) の化学反応式の矢印を等号=に置きかえ, 右辺にエンタ
ルピー変化 AH と符号が逆の反応熱を書き加えた式を熱化学方程式という。
式(b)は, C (黒鉛) 1mol と02 (気体) 1molのエンタルピーの和が, CO2 (気体) 1mol
のエンタルピーと394kJの熱量の和に等しいことを表している。 つまり、 熱化学方程
式中の化学式は,その物質1molのエンタルピーを表したものと考えられる。 したが
って,間接的にさまざまな反応エンタルピーを求める計算を行うとき, 熱化学方程式
は数式と同様に扱うことができる。
●エンタルピー変化を表すのと同様に, 熱化学方程式でも、 固体、液体などの状態を付記し,反応熱は
常温常圧 (25℃, 1.013×10 Pa) での値を用いる。