となる。つまり,正の縦軸切片と1未満の傾きを持つ直線である。なお, 傾きの
第2章 財市場の分析
テーマ
3 有効需要の原理
必修問題
5度線分析の枠組みで考える。 ある国のマクロ経済の体系が次のようにミ
0.
されている。
Y=C+I+G
C=60+0.75Y
需給ギャップに関する次の記述のうち, 妥当なのはどれか。
【国家一般職·令和元年度】
1 10のインフレ ギャップが存在している。
2 10のデフレギャップが存在している。
3 20のインフレ.ギャップが存在している。
4 20のデフレギャップが存在している。
5 40のデフレ·ギャップが存在している。
難易度 *
必修問題の解説
45度線分析は,ケインズの有効需要の原理に基づく国民所得の決定理論であり,
財市場(生産物市場)のみを分析対象とする。ケインズによると,国民所得は総需
要の大きさによって決まるので, 完全雇用国民所得が実現しない理由は総需要が不
足しているか過剰であるかのいずれかである。 この過不足を需給ギャップと呼び、
完全雇用国民所得を達成する総需要と比較して, 現実の総需要の不足分をデフレ
ギャップ,現実の総需要の超過分をインフレギャップという。
STEPO 総需要と総供給を作図する
問題文のY=C+I+Gは, 総供給Y=DYと総需要Y"=C+I+Gが一致した均衡国
民所得の決定条件式であるので, これらを分離した図で考える。なお,マクロ経研
学では国民所得Yは横軸に, 総供給Yと総需要Y"は縦軸にとる。
総供給Yについては,付加価値ベースの生産額が必ず労働または資本の保有日
の所得Yとして完全分配されることからY=Y, つまり45度線として表される。
総需要Yは, C+I+Gの各項に問題文の数式および数値を代入することで
Y°=C+I+G
=60+0.75Y+90+100
=250+0.75Y
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