【生物基礎 必答問題】
1 遺伝子とそのはたらきに関する次の文章 (II)を読み、 後の各問いに答えよ。
(配点 25)
I 20世紀のはじめごろに遺伝子が染色体上に存在することが示唆されてから、 DNA とタ
ンパク質のどちらが遺伝子の本体なのかが議論されていた。 ヌクレオチドを基本単位とす
るDNAは2本のヌクレオチド鎖からなるア 構造をとる。 アミノ酸がつながった
分子であるタンパク質は, 種類ごとにさまざまな立体構造をつくる。 DNA を構成する
塩基の種類数よりも、タンパク質を構成するアミノ酸の種類数の方が多いため、当初は,
化学構造がより多様なタンパク質が遺伝子の本体であると考える研究者が多かった。
(a)
肺炎球菌 (肺炎双球菌)には、外側に炭水化物でできたさや (カプセル)をもち病原性のあ
るS型と, さやをもたず病原性のないR型菌とがある(図1)。 S型菌がマウスの体内
に侵入すると,マウスは肺炎を発症して死亡するが, R型菌がマウスの体内に侵入しても、
免疫のはたらきにより肺炎を発症しないことが知られている。しかし,加熱殺菌したS
型菌と生きたR型菌を混合してマウスに注射したところ,マウスは肺炎を発症して死亡
し、マウスの体内から生きたS型菌が検出された。このような結果になった理由は加
熱殺菌したS型菌に含まれていたなんらかの物質が、生きたR型に取り込まれ, R型
菌がS型菌の形質をもつようになったためである。このような現象を形質転換という。