B
【問5】 (第1回レポート 【問4】 の続き) 図のように, 温度 T の環境下で、 取手のつ
いたピストンがある容器の下側に物質量 n の理想気体が封じ込められていて, 容器の
上側は真空になっている. 気体は容器を通して外界との熱のやりとりは自由にできる
ものとし、ピストンの質量は無視できるほど小さく, 滑らかに動かせるものとする. ピ
ストンの取手の上におもりをのせてあり, 気体の体積はV」 となっている. 以下の
問いに答えよ.
(i) おもりAがのっている取手の上に, 追加でおもりBをのせるとピストンはさら
に下降し、しばらくしたのちピストンは静止して気体の体積がV2 となった. こ
の状態変化に伴うエントロピーの変化量 AS1 2 を求めよ.
(ii) おもりBだけを取り除くと, しばらくしたのち気体の体積は V1に戻ってピストンは静止した. この状態変化に伴うエ
ントロピーの変化量 AS2→1 を求めよ.
(iii)(発展問題) (i) (ii) それぞれの過程でのエントロピー生成 7 Sgen1→2, Sgen2→1 を求め,これらの過程の可逆性を論
じよ.
(iv) (発展問題) おもりAがのって熱平衡である状態1と, おもりBがのって熱平衡である状態2の間における, ヘルムホ
ルツの自由エネルギーの差 AF1→2= F2 - F1 を求めよ.
(v) (発展問題) 状態変化 1→2の間に, おもり AとBの位置エネルギーが気体に与えられる. これと (iv) で求めた
AF1 2 との差は何を表しているのかを議論せよ.
*4 ガソリンエンジンの熱力学的モデルとされるサイクルである. C→Dが可燃性混合気の圧縮, DAが燃焼, AB が膨張, B→Cが排気・吸気
に対応する. DAにおける吸熱は温度 TA の熱源から, BCにおける放熱は温度 T の熱源へ 瞬間的に行われるものとする,
*5 仕事は、体積変化に伴って圧力がするものだけとする.
*6 実際のガソリンエンジンでは,過程DAでのエネルギー流入は, 熱源 A からの熱流入ではなく、 ガソリン燃焼によるエネルギー流入である.
Q
*7 過程 A B において, 温度 T の熱源から熱Qを受けとるとき, Sgen = (SB-SA) - T