問題 (1)
Aは、Bから自動車を借りて、 使用していた。 ある日、Aは、この自動車のブレーキの
効きが悪く、このままでは事故になりかねないと考えて、 整備工場で修理してもらった。
また、Aは、この整備工場でカーナビの取り付けを勧められたため、Bに携帯で連絡を取
り、その了承を得て、カーナビを取り付けてもらった。 Aは、一旦これらの費用を負担し
たが、 後日、Bから支払ってもらうつもりでいた。ところで、実はこの自動車は、BがC
から盗んだものであった。 被害届を出していたCは、 警察からの連絡により、 現在Aがこ
の自動車を使用していることを知った。 そこで、Cは、Aに対し、この自動車が盗まれた
ものであることを告げて、その返還を迫った。 これに対し、Aは、Bから詳しい事情を聴
くまでは、一存で返還することはできないとして、 任意に返還することを拒んだ。 なお、
Bは、この時点で行方をくらましており、携帯にもでないため、AはBと連絡を取ること
ができなかった。 この場合において、次の①と②について、 法的理由を付けて論じなさい。
①Cは、誰を相手取って、 返還請求訴訟を提起するのか、 また、 返還請求が認められた
場合、 返還費用はCと相手方のいずれが負担すべきか。
②Cの返還請求が認められた場合、 Aの支払ったブレーキの修理費用やカーナビの取り
付け費用はどうなるか。 法的理由を付けて論じなさい。