小説 幻想鍵刀録 第381話 光の師団編

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暁

高校全学年

第381話です。
アプスの翼が、全てに絶望を与えます。

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漆黒の翼は、 全てを覆う。
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敵対する者全てを喰らうまで、止
まることはない。
この戦場の漆黒の翼は、 宿敵の守
りたい存在を殺すまで、 絶対に止ま
ることはない。
そして守ると誓った少年は、 漆黒
の前に全てを懸ける。
自分を愛してくれた少女を守る
ために。
最終更新日: 2018/08/28

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F/
アリュールは崩れそうになってい
る壁を補強しながら、 通路を進んで
いた。足元がぐらついているが、 ど
うにか体勢を整える。
(もうすぐ日を跨ぐ... そうなった
ら、世界が...)
アリュールにとっては信じ難いこ
とだった。少なくとも、 直接の上司
だったスザクからは、そんな思想を
垣間見ることは出来なかったのだ。
(けど、 私達でやらなきゃいけな
いんですよね... 悠斗...レイ....)
信頼する少年と、 今は存在しない
少女。特に後者は、 アリュールにと
って心の支えとなっていた。
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レイにとってもそうであり、 アリ
ュールにとってもそうだった。未だ
に京都から『13機関』 のアジトに着
いて行けなかったことを悔やんでい
る。
だが、 今はその悩みは捨てておこ
う。かつて所属していた古巣は、 も
う破棄しなければいけない。
アリュールが曲がり角に差し掛か
った瞬間、小さな影が飛び出してき
た。
「のわっ!?」 「わっ!!」
アリュールは尻餅を突き、 イテテ
と苦笑した。差し出された手を握り
立ち上がる。
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「ごっ、ごめんなさい!!」
「良いんですよ... あれ、 真二?」
「あ... アリュールさん」
ぶつかって来たのは、 悠斗と霊夢
によって 『幻想郷』 からやって来た
少年、 広瀬真二だった。
「どうかしたんですか? そんなに
急いで...」
「いえ...時間も無いわけですから
もっと急がないといけなくて…..」
「あまり急ぎ過ぎてもミスが表れ
るだけですよ。ほら、 落ち着いて下
さい」
アリュールは真二の背中を撫で、
ギュッと抱き締めた。 少年が辛そう
なのは、 佐山マリが倒れたからだろ
う。

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F/ 彼が初めて会った同年代の少女で
いつも真二と一緒にいるマリは『
装置』によるダメージを受けた。真
二はそれが許せず、こうして専行し
ているのだろう。
だがアリュールは、焦りこそ一番
の敵だと知っている。 だからこそ抱
き締めて落ち着いてもらったのだ。
「ハイ…..すいません...」
「良いんですよ。 落ち着いたら行
きましょうか」
「...前菜か...」
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その瞬間、 アリュールは圧倒的な
威圧感を感じた。 真二が背中に手を
回して飛び退いていなければ、間違
いなく串刺しになっていただろう。
「くっ…!!」「きゃっ!?」
アリュールは立ち上がることが出
来ず、 真二が庇うように立った。闇
の魔力を携えた刃は消滅し、 真二は
空中を睨んだ。
「お前は...っ!!」
アプスはニヤリと笑い、 真二へと
手をかざした。 真二の前にアリュー
ルが壁を作り出し、刃を全て受け止
めた。
「甘いぞ」
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アプスの刃が急に巨大化し、闇で
壁を侵食し始めた。
「くっ…..『縊・鏨・緋』っ!!」
短く唱えた呪文が、 壁を流動させ
る。中央に大穴を作り出し、そこか
ら真二が飛び出した。
「いけぇっ!!」
突き刺そうとした武器は、 アプス
の防御に阻まれた。 そのまま蹴り返
され、地面に叩き付けられて息が出
来なくなる。
「さあ…終わりだ!!」
アプスの作り出した闇の球体が、
2人を呑み込もうとしていた。
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IF 一方、飛行船では。
嫌な夜風を感じ、 加那は1人で甲
板に立っていた。 髪をかき上げ、遠
くから感じる衝撃に思わず身体を固
くする。
「何だろう…風が…気持ち悪いな...
嫌な風...」
加那の身体を通り抜ける夜風は、
アプスへと向かっていた。
『…..ふふ…..そろそろか…』
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