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大枠は捉えているように思いますが細かなところが少し覚束ないように思います。
訳としてはこんな感じです。
1850年(の)逃亡奴隷法では、逃走中の奴隷を手助けすることが禁じられていて、今や/そのとき逃亡者が合衆国のどこに立ち止まろうとも安全ではなくなった。
The Fugitive Slave Lowというのは、Lowとあるように法律であって、訳としては逃亡奴隷法というのがあります。ちなみに奴隷解放宣言にはEmancipation Proclamationという訳を当てることが多いかと思います。
,whichは上手く訳されていました。これは基本的に、接続詞を用いず文レベルの情報を付け足すことで、補足してやろうっていうものですから当然理由を示唆する際にも使えます。ただし、そうでない場合は誤訳にしかならないので、ここは大人しく伝統的な非制限用法の訳し方をしておきます。
prohibitの訳し方が少し気になりました。なんか、主語が2つ出てきて日本語として変ですよね? それは英文の主語がなんであって目的語がなんであるかをきちんと意識していないことから来ています。今後同じミスをしないよう気をつけてください。まず、主語はThe Fugitive Slave Lowで、それがprohibited~なわけですから、逃亡奴隷法は、逃げている奴隷を助けることを禁じた、でいいわけです。ただ、僕の言語感覚としては、逃げている奴隷を助けることをっていうのがどうしても気にくわないので、逃走中の奴隷を手助けするのは、と訳しました。
nowの訳漏れ。これは今や、とか、thenのようにその時と訳せばいいのですが、一応今やと訳すようにしています。
無生物主語をそのまま訳していますね。法が何かを禁じるというのはまだいいのですが、法が〜を危険にするという表現は日本語として不自然ですから、ここはきちんと無生物主語っぽく訳しましょう。普通は、〜によって、と訳すのですが、この場合は〜では、と訳しても問題なさそうなのでそう訳しておきます。
細かな訳について。まず、anyoneの訳ですが、究極的には訳さず、普通に禁止された、禁止になったと訳しておけば大丈夫ですが、あえてきちんと訳そうとすると、誰に対しても、ぐらいの役になるかなと思います。次にmade it ~ in the US. の部分ですが、どこに止まっても危険になった、と訳してもいいのですが、anyは割と仮定法っぽく訳すと上手くいくことが多くて、どこに立ち止ろうとも、ぐらいの方が英語の感覚としては近いです。dangerousに関しては、危険になったという訳でも構いませんし、それを否定して安全ではなくなったと訳しても構いませんね。一応原文に忠実に訳すために危険になったとした方が良かったですね。
44はそれで良いかと思いますが、45のfor catching は多分訳が違います。for はこの場合等価交換ねって意味です。つまり、彼女を捕まえることと等価交換に懸賞金をあげますぜって話なんです。これは目的っぽく訳すと誤訳になるかもしれませんね。そもそもfor ~ingは基本的に目的を表さないですけどね。そう考えると、彼女を捕まえることに対して、程度の訳でいいのかなと思います。
あ、言い忘れていました。made it~のところを無生物主語っぽく訳したのに伴い、,whichも一応無生物主語っぽく訳しました。この辺はまあ日本語がチグハグにならない程度に上手く訳してください。