まずは活用形だけやってみましょう。
画像は活用表を紙に書いたものです。これを参考にしてください。(字が汚くてすみません)
(1)「べく」となるのは未然形と連用形ですが、下に「おぼえ」という動詞(用言)があるので、今回は連用形です。
(2)「まじ」となるのは、終止形の時のみです。それに加えて、「まじ」は文末にありますね。
(3)「べし」となるのは、終止形の時のみです。それに加えて、引用の格助詞「と」があります。(引用の「と」の上は言い切り(終止形か命令形)になります。)
(4)「まじき」となるのは連体形の時のみです。下に「もの」という体言がありますね。
(5)「べから」となるのは未然形の時のみです。下にある打消の助動詞「ず」は未然形に接続する助動詞です。
(6)「まじけれ」となるのは、已然形の時のみです。上に「こそ」という係助詞があるので、それの結びなので已然形になります。
次に、文法的意味を考えてみましょう。
主語の人称によって判断する方法と、人称に関わらず判断する方法があります。下に記載するのが基本の考え方ですが、例外もあるので「確定でそのようになる」というわけではないと思っておきましょう。
主語が一人称の場合(「べし」は主に終止形)
→意志
主語が二人称の場合(「べし」は主に終止形)
→適当・勧誘、命令
主語が三人称の場合
→推量
人称に関係なく「~はずの」と訳せる場合
→当然(「べし」は主に連体形)
人称に関係なく「~できる」と訳せる場合
→可能(おもに打消の語を伴う)
文法的意味には何があるのか一応紹介しておきますね。
推量の助動詞「べし」
①推量(~だろう、~そうだ、~ようだ)
②意志(~う、~よう、~つもりだ)
③当然・義務(~はずだ、~なければならない)
④適当・勧誘(~がよい)
⑤可能(~ことができる)
⑥命令(~せよ)
打消推量の助動詞「まじ」
①打消推量(~ないだろう、~まい)
②打消意志(~ないつもりだ)
③打消当然(~はずがない、~ないにちがいない)
④不適当・禁止(~ないのがよい、~てはならない)
⑤不可能(~できそうもない)
「まじ」は、「べし」の打消ver.です!
長くなりすぎたので、(1)~(6)の文法的意味の考え方は下に記載しますね。↓
(3)は、イの意志です。上の見分け方が使えないパターンです。訳をすると、
「この一矢で決めようと思え」です。よーく考えてみると、他の文法的意味は合わないことが分かります。ですが浅すぎると、当然・義務でも訳せるのでは?と思ってしまいます。
的への当たり外れを気にすることなく、1本の矢で決めようと思ってね。ってことです。
的への当たり外れを気にすることなく、1本の矢で決めなければならないと思ってね。
この微妙なニュアンスの違いを説明するのはとても難しいのですが、今回は意志でなければなりません。
どう思えばいいのかを命令している訳ですから、○○しようと思え、の方が適切なわけです。(説明難しすぎますね、笑)
(4)クの不適当・禁止です。訳をすると、
「妻というものは、男が持たないのがよい(持ってはならない)ものである」となりますね。文脈判断になります。
(5)エの可能です。
「空を飛ぶことが出来ない」と訳ができます。
出来ない、、?
これはキの不可能ではないのかと思うかもしれませんが、推量の「べし」には打消の意味がないのです。打消の助動詞「ず」を使って、可能の意味を不可能に変えているといった感じです。「ず」のところまで棒線がひっぱってあったら「不可能」となりますね。今回は、「べから」までなので可能です。
(6)オの打消推量です。
訳をすると、
「冬枯れの景色は、秋の景色にはほとんど劣らないだろう。」です。秋の景色の方がいいと思う人もいれば、冬の方がいいと思う人もいますよね。なので、打消当然で訳すのはあまりよくありません。
長々と説明した割に、分かりにくくてごめんなさい!分からなければまた聞いてください!
(1)は、アの推量です。主語は、「男」という三人称ですね。訳をしてみても、
「男は病気になって、気分が死にそうだと思われたので」みたいな感じでしょうか。他の文法的意味は訳として不自然になりますよね。
(2)カの打消意志です。
主語は、「わが身」となっているので一人称だと分かります。よって打消意志となります。訳をしてみても、
「敵の手にはかからないつもりだ」みたいなみたいな感じでしょうか。
上が「女であっても」となっているので、打消当然では不自然です。迷うのは打消意志と打消推量ですが、文脈的に打消意志の方が合いそうな気がします。
※ここで、上の文法的意味の説明の欄の訂正をお願いします。正しくは
②打消意志(~ないつもりだ、~まい)
です。「~まい」を記載し忘れていました。