CTX
展 限
思考判断
44. 細胞周期 次の文章を読み, 下の各問いに答えよ。
ランダムに細胞分裂をくり返す。 この培養細胞について, 細胞周期の各時期 2期 期
ある動物の培養した細胞では, それぞれの細胞が同じ細胞周期をもちながら、同調せず
G2期,M期)の時間を調べたい。 そこで培養液中にチミジンの類似体(エチニルデオキ
シウリジン, EdU)を短時間加え, 細胞に取り込ませた。 このような EdU の短時間処理に
よって,細胞周期のさまざまな段階にある細胞のうち, S期の細胞だけをすべて標識する
ことができる。短時間処理後,このEdUをじゅうぶんに洗浄除去し, EdU を含まない培
地で培養を続けた。そして適当な時間間隔で細胞を採取し, 化学反応を利用して EdUと
蛍光色素を結合させ,EdU の取り込みによって蛍光を発する細胞を蛍光顕微鏡を用いて
検出し観察した。培養細胞のM期の細胞は, 凝縮した染色体をもつため識別できる。 そこ
で採取されたすべての細胞のなかからM期の細胞を選び, そのなかで EdU によって蛍
光標識された細胞の割合(%) を調べたところ, 下図のような結果を得た。
図から,細胞周期のS期、G2期, M期の所要時間をそれぞれ求めることができる(ただ
し,S期の時間はM期より長いものとする)。まず EdU の短時間処理によって EdU を取
り込んだG2期の直前の細胞, すなわちS期の最後の細胞に注目しよう。 この細胞は,この
後,G2期の時間を経由してM期に入る。このとき,蛍光標識された細胞が,M期に最初に
現れることになる。したがって, G2期は ア 時間となる。次に,S期の最後の細胞
が,M期の最後に到達したときを考える。S期の時間がM期より長いことから,M期のす
べての細胞が蛍光標識されることになる。したがって, M期は [
一方, EdU の短時間処理直後, G. 期を出た直後の細胞, すなわち EdU を取り込んだS
イ 時間となる。
期の最も初期の細胞に注目しよう。 この細胞がM期に入るのは, EdU の処理後
時間を経過したときである。 S期の最後の細胞が EdU 処理後
] 時間でM期に入
ったことから, S期の時間は
I 時間となる。
*チミンとデオキシリボースが結合したDNAの構成成分。
蛍光標識されたM期の細胞の割合
(%) 1
100-
0
0
4
6
9 11
チミジン類似体 (EdU) 処理後の時間
(時間)