【5ページのノート小説コンテスト】憧れの君へ〜本当の思い
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Senior HighSemua
数多くあるノートの中から、私のノートを選んで下さりありがとうございます!
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「5ページのノート小説コンテスト」ノベマ!部門に小説を投稿してみました!
小説は読むのも書くのも大好きなので、今回めっちゃ楽しかったです!!
途中いくつか問題がありまして(曲の歌詞が使えなかった、文字数が多すぎて5ページに収まらなかったetc)、投稿がぎりぎりになりました…😭
ちなみに、こちら私の実体験を元にしたお話となっております。今は面影など微塵もありませんが、実は私、中学・高校どちらも首席入学者なんですよ…実はね。
よかったら❤️&💬&Followもしてくれると嬉しいです!
ノートテキスト
ページ1:
「今日は、自分の将来の夢について隣の 人と語ってみましょう。」 高校に入学してすぐ、担任の先生はLHR でこういった。 隣の席の男子とは、まだまともに話した ことは無かった。 滝山奏詞。隣の中学出身で、長いまつ毛 と真っ黒な目が特徴的な顔をしている。 「滝山くんは、何か夢あるん?」 滝山くんは微笑みながらすぐに答えた。 「俺、高校卒業したら、音楽の道に進も うと思うんだよね。」 聞けば、彼の父親は作曲家だという。 「俺さ、親父の音楽が大好きで。親父の 音楽って、なんかすごく、沁みる気がす るんだ。親父には言えないけど、俺もい つか、親父のような、人の心に残る音楽 を作れるようになりたいって思ってる。」 滝山くんは照れくさそうにそう言 言った。
ページ2:
私は、将来やりたいことが何も見つからな い。 まだ卒業まで3年あるとはいえ、漠然 とした不安が既に心の底で渦巻いていた。 何に向かって努力すればいいか分からなか った。 「そういえば、君って首席入学者だったよ ね。頭いいっていいなあ、もう大学どこ行 くか決まってる感じ?」 「あはぁ、そうやなぁ…。 J 滝山くんは、ふぅ~んと言いながら、私の 目をじっと見つめてきた。 滝山くんのように自分の夢を語れる人にな りたい。 その思いはいつしか、滝山くんのことをも っと知りたいという願いに変わっていた。 滝山くんともっと話したい。 滝山くんに近 づきたい。 あの時の滝山くんの笑顔が、どうしても心 に焼き付いて離れなかった。
ページ3:
あれから半年が過ぎた。 私は、まだ自分の夢が見つかっていなかっ た。 文理選択は、なんとなくで文系を選ぶことに した。正直に言うと、理系でもよかった。ど うでもよかった。 奏詞くんは、ここ数ヶ月で学校をよく休むよ うになっていた。 何かあったのか、LINEで聞いてみたが、 丈夫」としか返事がなかった。 「大 あまり深く詮索するのも申し訳ないし、気に しないように努めた。 もうすぐ冬休みになろうとしていた。 かじかむ手をすり合わせながら、私は学校へ 向かっていた。 今日も奏詞くんは休みだろうか。会いたいと 思った。 今、奏詞くんの笑顔を見たら、私は何を思う のだろう。 ふと、街路樹の下の看板に目が止まった。 「滝山家式場」
ページ4:
突如、足が止まって動かなくなった。 頭の中が真っ白になった。 奏詞くん。 大丈夫なんて嘘じゃん。 なんで。どうして。 学校についてすぐ、奏詞くんと同じ中学校 出身の子に何があったのか聞いてみた。 「奏詞、お父さんが亡くなったんやって。」 不謹慎だが、正直奏詞くん本人じゃなくて 良かったと思った。 「そう…やったんか。」 それしか言えなかった。 その日はほとんど授業に集中できなかっ た。 家に帰ってLINEを開くと、奏詞くんのステ タスメッセージが変わっていることに気 がついた。 知らない曲の歌詞だった。検索して聞い た。 力強いボーカルの声と、爽やかなメロディ 一が鼓膜を満たした。
ページ5:
不意に、視界が滲んで輝いた。 俯いてスマホを眺めていた私は、目を瞑ることが 出来なかった。 画面に1滴、2滴と涙が落ちた。 誰かを思って泣いたのはこれが初めてだ。 この曲に、奏詞くんの父親への思いが全て詰まっ ている気がして、心が痛くなった。 でも、音楽で人の心を動かすことが出来れば、そ れが自分の曲か他人の曲かなんて関係なく、立派 な音楽家だとも思った。 音楽とは、なんて美しいのだろうと思った。 高校に入学して、2度目の春が来た。 奏詞くんとはクラスが分かれてしまった。 「今日は、自分の将来の夢について隣の人と語っ てみましょう。」 今年も、担任の先生は最初のLHRでこう言った。 今なら、自信を持って答えられる気がした。 K
ページ6:
Thank You for Reading!! 2022/04/16 I want you to look at other notebooks. Please give me hearts, comments, and follow me. ⑦Greetings ISLAND
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