不飽和化合物の構造推定 (1)
原子量: H=1.0, C=12,0=16
例題 分子式 Caloの化合物A~Dがあり,これらに以下の実験I~IVを行った。化合物が環状構造
となる場合は,5員または6員環化合物である。
I 化合物A、Bそれぞれに過マンガン酸カリウム水溶液を加えて熱すると,Aからは化合物の
み,Bからは化合物 F のみが生成した。 また, 化合物Aは不斉炭素原子を1つ有していた。
ⅡI 化合物に過マンガン酸カリウム水溶液を加えて熱すると化合物G と二酸化炭素が生成した。
このとき生成した化合物 G と二酸化炭素の物質量の比は1:1であった。
ⅡI 化合物に過マンガン酸カリウム水溶液を加えて熱すると化合物と酢酸が生成した。この
とき生成した化合物Hと酢酸の物質量の比は1:2であった。
二重結合を1個持つ鎖式不飽和炭化水素を硫酸酸性の過マンガン酸カリウムで酸化すると二重
結合が開裂して以下のように二つの化合物が生成する。
R1
R₁
C=C
1
R2
Ra
+ KMnO4
+H2SO4
(1) 化合物 A,B,C,D の構造式を記せ。
(2) 化合物A~E の構造式をそれぞれ記せ。
C=0 + 0=C
/
H
* R1, R2, Rs は炭化水素基を示す。
このとき, 二重結合を持つ炭素原子1個にアルキル基が2個結合している場合はケトンが生成さ
れる。 また, 二重結合を持つ炭素原子1個にアルキル基が1個, 水素原子が1個結合している場
合はアルデヒドが生成されるが直ちに酸化されてカルボン酸となる。 なお, 二重結合を持つ炭素
原子1個に水素原子が2個結合している場合は生成されたカルボン酸がさらに酸化されて水と二
酸化炭素が発生する。
R2
R3
OH