分子式 CHO で示される芳香族化合物には,十数個の異性体が考えられる。そのうち,カ
ルボニル基をもつ化合物には5個の構造異性体があり,これらを A,B,C,D,Eとする。A,
B, Cは空気中の酸素によって酸化され、それぞれ酸性の化合物F,G,Hとなる。 これらは過
マンガン酸カリウムによってさらに酸化されて,いずれも分子式 CgH6O4 の化合物となる。そ
のうち,Fの酸化生成物は加熱すると容易に酸無水物となる。 また, Gの酸化生成物はポリエ
ステル繊維の原料の一つとしてよく用いられる。有動を本分
)
化合物 D, E を還元すると,それぞれ同じ 官能基をもつ化合物I, J となる。 (b, Dはアンモ
ニア性硝酸銀溶液を還元して銀を析出させ, フェーリング液と反応して赤褐色の Cu2O を生じ
る。EにはDのような反応性はない。また,化合物Jには鏡像異性体(光学異性体)があるが,
Iにはない。
た。次に、Dを本に
問1 化合物 A, B, C の構造式を記せ。
(a)
問2 下線部(a)の官能基をもつ化合物は,一般にどのような反応をするか。 炭素数1の化合物
物について, 例を二つ化学反応式で示せ。 よろ
問3 下線部(b)の反応において, Dはどのような化合物に変化するか。 構造式を記
問4 下線部(c) を参考にして,化合物Jの鏡像異性体(光学異性体)の違いがわかるようにそれ
ぞれの構造式を図示せよ。