(1) 以下の史料は1920年代に日本の外交を取り仕切っていた人物の声明文である。 史料を参考にして当時の日
本の外交姿勢と対立する思想がどのようなものであったかそれぞれ60字以内で答えよ。日
(前略) 大体に於て世界人心のく傾向を観察すれば、国際的争闘の時代は漸く過ぎて之に代るべきものは
縫う
国際的協力の時代であることは疑を容らませぬ。世間には往々此の新傾向を目して国際主義などと称し、之
を以て国家主義と相容らず自国の利益と相反するものと認め、之を攻撃する論者も無いではありませぬ。若
し所謂国家主義なるものが一国の専横を意味し、他の列国皆挙つて此の一国の便宜に迎合すべきことを意味
樹事な振楽し
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するものならば、現今の大勢はく如き国家主義と相容れざるは明瞭であります。 又所論自国の利益なるも
のが、目前一時的の利益又は国民の一部分の利益を意味するものならば、現今の大勢は斯の如き自国の利益
に不利なることも争ふべからざる事実であります。
砕し笮ら世界は一国を中心として回転して居るものではない、凡そ一国は国力が如何に強大であっても、又
財力が如何に豊富であつても、之を恃んで列国間に専横を極むるときは遂には無惨なる失敗に終るものであ
る。 是れは歴史の証明する所である。 国家の真正且永遠なる利益は、列国相互の立場の間に公平なる調和を
得ることに依りて確保せらるるものである。 我々は此の信念に基いて凡ての列国に対する外交関係をせむ
ことを期する次第であります
外交姿勢
対立する姿勢