深田にはまった義仲(『平家物語絵
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かかつて、よつぴいて、ひやうふつと射る。
まつかう
痛手なれば、真向を馬の頭にあててうつぶ Z
(あす
したまへるところに、石田が郎等二人落ち
ににん、
合うて、つひに木曽殿の首をば取つてんげ
り。太刀の先に貫き、高くさし上げ、大音
声をあげて、「この日ごろ日本国に聞こえさせたまひつる木曽殿をば、三浦の
ノー )
石田次詠命太が討ちたてまつりたるぞや。」と名のりければ、今井四郎、いく
さしける。。これを聞き、「今は、たれをかばはんとてかいくさをもすべき。
かう
これを見たまへ、東国の殿ばら、日本一の剛の者の自害する手本。」とて、太
刀の先を口に含み、馬よりさかさまに飛び落ち、貫かつてぞ失せにける。さ
てこそ粟津のいくさはなかりけれ。
(巻九)