基本例題 52 「すべて」 「ある」の否定
次の命題とその否定の真偽をそれぞれ調べよ。
すべての実数xについて x>0
(2) ある素数は偶数である。
(3) 任意の実数x,yに対して x²-4xy+4y2>0
4x3x-10=0である自然数 x が存在する。
針 「すべて」と「ある」の否定
すべての xについて→ある xについて
ある x について → すべてのxについて
「すべて」と 「ある」が入れ替わる。
なお、が真のとき
CHART 命題の否定
参照)。
は偽が偽のときは真である(下の検討
解答
(1) 命題: x=0のときx2 =0 で, x>0は成立しない。
よって 偽
「すべて」と 「ある」 を入れ替えて、結論を否定
I 否定 : 「ある実数xについて x 2≦0」
x=0で成り立つから 真
(2) 命題 素数2は偶数である。
I 否定 : 「すべての素数は奇数である。」
素数2は偶数であるから偽
(3) 命題: x=2,y=1 とすると
よって 真
よって偽
x2-4xy+4y²=4-8+4=0
I
否定 : 「ある実数x,yに対して x2-4xy+4y²≦0]
x=y=0 のときx²-4xy+4y2=0
よって 真
00000
(4) 命題: x²-3x-10=0 から (x+2)(x-5)=0
x=-2,5
(x+2)(x-5)=0を解くと
I
否定 : 「すべての自然数xに対してx²-3x-100J
自然数 x=5が存在するから 真
よって偽
x=5のとき x²-3x-10=0
p.89 基本事項 [2]
< 「すべて」 と 「ある」 を入
れ替えて結論を否定する。
(検討
<x²-4xy+4y²=0
(x-2y)^2=0
x=2y劇場
左の解答からわかるように,
が真のとき
は偽,
が偽のとき
は真
である。 このことは一般に成
り立つ。 よって、否定の真偽
の理由は必ずしも書く必要は
ない。
91
2章
命題と条件