沸点上昇 凝固点降下と分子量
分子量M(モル質量M[g/mol]) の非電解質w [g] が溶媒W[g]
に溶けているとき, 質量モル濃度m [mol/kg] は次のようになる。
m=
w
M
w
M
×
At = Kxwx
1000
W
・・単位をgからkgに
換算した溶媒の質量
W
1000
また,沸点上昇度や凝固点降下度を At [K], モル沸点上昇やモル凝固
点降下をK [K.kg/mol] とすれば,この溶液の tは (33)式のようになる。
(33)
At = Km
(32),(33) より (34) 式のようになる。
1000
W
1000[kg]]
M W
(34)式より,分子量 M を求める次の式を導くことができる。
1000 Kw
At W
例題 12 凝固点降下による分子量の測定
(32)
Kw 1000
(35)
M=
×
At
W
このように,希薄溶液の沸点上昇度や凝固点降下度を測定することに
よって, 溶質の分子量を求めることができる。
(34)
1 沸点上昇や凝固点降下を用いて
ベンゼン(凝固点 5.53℃) 80.0g に, ある非電解質 1.20gを溶かしたとこ
ろ,この溶液の凝固点は4.93℃であった。この非電解質の分子量を求
めよ。ただし、ベンゼンのモル凝固点降下は 5.12K・kg/mol とする。
W
解 この物質のモル質量をM[g/mol], 溶媒の質量を - [kg] とすると,
凝固点降下との関係は次のようになる。
1000
KfW 1000
M =
×
At W
問題文より, Kf=5.12K・kg/mol, w = 1.20g, W = 80.0g,
At = (5.53-4.93) K であるから,この物質のモル質量は,
M =
5.12K・kg/mol ×1.20g_
(5.53-4.93 ) K
1000
180.0kg
|= 128g/mol 分子量 128
単位をgからkgに
換算した溶媒の質量の逆数
類題 12 ベンゼン 200g に, ある非電解質の有機化合物 2.1g)を溶かしたところ,
溶液の凝固点はベンゼンの凝固点よりも0.64Kだけ低くなった。 この
有機化合物の分子量を有効数字2桁で求めよ。ただし、ベンゼンのモル
凝固点降下は5.12K・kg/mol とする。
5