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添付した図を見ながら説明してみます。

おさらいになるかもしれませんが、二本鎖DNAのうち、アミノ酸の配列に対応する側をセンス鎖、反対側をアンチセンス鎖(ノンコーディング鎖)と呼びます。
転写のステップでは、アンチセンス鎖を鋳型に使ってRNAが合成されます。
そして翻訳のステップでは、5'から3'方向に向かって3塩基が一組になって1つのアミノ酸を決めていきます。このとき、メチオニンに対応するAUGという配列が翻訳のスタート地点になります。

ここまで見ますと、わざわざRNAに転写した配列を眺めなくても、一番上のDNAのセンス鎖の配列を3つづつ読むと、アミノ酸配列に翻訳できることが分かると思います(ただし、コドン表を見るときには、UをTに置き換えて読む必要があります)。

ところで、この問題にはいくつか正しくない記述があります。まず、問題文には『(GFP)遺伝子のmutant (EGFP)の(ノンコーディング鎖の)DNA配列である』と書かれていますが、その下に書かれているのはセンス鎖側の塩基配列です。
添付した図の一番下に示したように、2行目のなかほどにあるatg= メチオニン(一文字表記のM)から始まって、MVSK....と続きます。

ちなみに、この塩基配列は次のページにも続くのでしょうか?
もし続かないとすると、このページ中に終止コドンはありません。

また、問題文の6行目に『Gene ID: 20473140 ACCESSION NC_025025』とありますが、この情報は2020年に使用が中止されています。ですので、それよりも以前に作られた問題と思います。いま出題するのでしたら、この部分は削除したほうが良いでしょう。

最後になりますが、EGFPは720塩基でコードされる239アミノ酸が繋がるタンパク質です。これをコドン表と見比べながら問題を解く場合、5秒で1アミノ酸を決めることができたとしても20分掛かります。1アミノ酸あたり10秒かかれば40分、あまり意味がある問題とは思えません。

ここに元になる配列がありますので、
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/NC_025025.1?report=fasta&from=5521&to=6240

ATGから問題文に載っている範囲をコピーして、こちらの翻訳ツールのWEBサイトにペースト、
https://olvtools.com/translation

「アミノ酸配列への変換(翻訳)」をクリックすればアミノ酸配列が出てきます。
ちなみにEGFPの全アミノ酸配列は以下の通りです:
MVSKGEELFTGVVPILVELDGDVNGHKFSVSGEGEGDATYGKLTLKFICTTGKLPVPWPTLVTTLTYGVQCFSRYPDHMKQHDFFKSAMPEGYVQERTIFFKDDGNYKTRAEVKFEGDTLVNRIELKGIDFKEDGNILGHKLEYNYNSHNVYIMADKQKNGIKVNFKIRHNIEDGSVQLADHYQQNTPIGDGPVLLPDNHYLSTQSALSKDPNEKRDHMVLLEFVTAAGITLGMDELYK

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