Undergraduate
数学

サルでもわかる関数解析その16

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哲治

哲治

ノートテキスト

ページ1:

サルでもわかる関数解析 その16
12.2(完全連続作用素の)固有空間
定理 12.6
入≠0が下の固有値ならば、入に対応する固有空間の次元数は
有限である。
(Proof)
に対応する固有空間をnとする。すなわち、
ma={x:Tx=xx}
Sanaの任意の有界部分集合とする。
AIT(S) = S で,Aが完全連続作用素であるから、Sは点列コンパクト
である。 結局 ノルム空間maの任意の有界部分集合が点列コンパクト
となるから、定理 11.3により、は有限次元の空間である。
VA
Tの共役作用素T*は、X*からそれ自身への完全連続作用素であるから,
今までTについて述べてきた事柄はやに対しても成立している。
キロは、T(T*)の固有値であるか、またはP(T)(P(TK))に属するかの
いずれかである。ところで、P(T)=P(T)(定理10.6参照)であるから,
い
1キロがTの固有値であるための必要十分条件は、2がT*の固有値
であることである"
いま、入キロがTの固有値(したがって、またTXの固有値)であれば、入に
対応するTおよびTKの固有空間の次元数はいずれも有限である。(Th12.6)
実は次のことが成立する。
定理 12.7
入キロが丁の固有値であるための必要十分条件は、1がT*の固有値
であることである。そして、固有値入キロに対応するTおよびTXの固有
空間の次元数が等しいことを示せばよい。
(Proof)
国有値入キロに対応するTTXの固有空間の次元数が等しいこと
を示せばよい。

ページ2:

{x; λx = Tx} = {x; x = 11/1 x}, {x: x = '
},{x:xx=Tx}={x:x=()}
であるから、1=1の場合について証明すればよい。
固有値1に対応するToT*, TXの固有空間の次元数をそれぞれ
nnnoとする。このとき
(12.6)
N = N*
が成立することを示せば十分である。実際(12.6)が成立すれば
同様にしてn*≧が言える。ところで、xEX (CX*)に対して
Thxx = TXC(条9.3参照)であるから、
{xkk; Tobot jetik = 20th} > {x; Tx = x}
したがって1に対応するTの園有空間はTの固有空間の線形部分
空間となる。ゆえに
よってmzn.
これと (12.6)とからnnを得る。
さて (12-6)を証明しよう。
(第1段)(準備)
任意のfex*に対し、Nf={xex: f(x)=0}とおく。
Nf は Xの閉線形部分空間である。
(i) fg (ex*)が一次独立ならば、Ng ¢Nfである。したがって、
Nfn Ng ≠Ng。
からかい
実際、NaCNf とする。fキロのゆえ、f(x)≠0,すなわち Xo4NS なる
ような元が選べる。このとき、Xo4Ngo
d=f(x) (≠0) B=g(x)(キロ)
とおくと,(1)g(n)=f(x)。実理5.2により、任意のx∈xは、
ZeNg,red)
x = x+rx(ただし ZENg, red)
なる形に一意的に表わせる。 Ng CNf から f(x) = 0(Z∈Ng)。
n
もの

ページ3:

ゆえに f(x)=rf(x)=r()g()=(音)g(x) (xex)
すなわち、f=(音)g。これはfigが一次独立であることに矛盾する。
よって Ng¢ Nf。
Ng¢Nf。 次に
(ii) X*の元f,g,hlが一次独立ならば
(12.7) NfnNgon Ne≠Ngnn Ne
を示す。 fghの定義域をNeに制限したものをそれぞれ
fw, go,hのとすると、(N2)*の元fogohのは一次独立
である。
もし一次従属であるとすると、
fo + Bgw+…+h=0,WP+1BP+…+1=0
であるような,B(∈)が選べる。
(df+Bg+…+th)(c) = (df+pg++)(x)=(x∈ Ne)
であるから Ne CNdft なんところで」
Nec Naft.......th
df++rhl(ex*)
は一次独立であるから、(i)により、Ne¢Naft+hhでなければならない。
これは矛盾である。)
とくに fogoは一次独立であるから,NeをXと考えて()を適用
すると, Nfon Ngo≠ Ngo) を得る。
Nfw = {x6Ne: f(x)=0}=Ns/Ne, Ngu = Ngn Neであるから
Ngu
NfnNgnNeキNgnNeo
次に fgoの定義域をNin(=NnNe)に制限したものを
fe, ger...として上と同等の議論を続ければよい。

ページ4:

(第2段)(n≧nの証明)
固有値に対応するTTXの固有空間をそれぞれ
n(={xex: x=Tx})
(={xxxxx=Tx})とし、
X1 X2
) ......)
xnをnの一次独立な元をnの
一次独立な元とする。このとき」
(12.8)
(12-9)
Sy
☆* (x) = Sig (ioj=1,2,
xt (44) = Sij
n)
(i, j = 1,2n*)
(ただし Sig = (i
およびZ∈X(1
(j=1.2.n)
),843=1)を満足するようなZX*
)が存在する。
実際,1
8-1
Ejは閉集合
により張られる線形空間
で(糸5-5参照)、かつ xgo Egであるから,Hahn-Banachの定理(条64)
により、
Z() = 1 (x) = 0 (xEE)
となるZEX* (12)が存在する。
この(=1,2n)が(12-8)を満足することは明らか。
次に(12.9)を満足するま(=1.27)の存在を示す。
Ni={xex:x(x)=0}とおくと、第1段(ii)により、各=12……他に
対して
---
Ni
Kï € (№ ‚ ---- ~ Nz -ı | Nä+1 . ……. Nonet) \ Ni (8=1,2, N*) ZL.
i=1
x* (Uj) = 0 (i+j) x^(j) ≠0であるから
>
Zj = Wj/x^(Wi) (j=1.2)
は(12.9)を満足する。

ページ5:

さて、nくnと仮定して矛盾を導く。そのため
n
Rx = Tx + Z) Zi (XEX)
i=l
とおく。)は、Xから九次元 ノルム空間(CX)への有界線形
i=1
作用素であるから、完全連続作用素である。
したがって,RはXからそれ自身への完全連続作用素である。
Rが1を固有値としてもたないことを示そう。
実際O=x-RX とする。 このとき
n
(I-T) x = Z ZZX (xx) Zi
)
n
0 = XCX(XC-ROC)=(x-Txc)-Σ発(x)(Z)
=
i=1
=(2-T*)(xc)-Z(2)
一(x)
ほとする
(R=122)または、
((12.9)とT*=とによる)
(1) n<n(したかってn+1≦n*)と仮定していることに注意)
であるから,x=Tx,すなわちxenとなる。
x=Zdixと表わされるゆえ(12.8)により,
Z(c)=Zdi()=de (R=1.27)
(R=1,2,…,n)
ところで,Z(x)=0(上述)であるから,OR=0 (R=1,2……n)となり
x=0。ゆえに、入=1はRの固有値ではない。
したがって、実理 12:3により、I-RはX全体で定義された有界な
逆作用素をもつ。
X = (I-R)+Zx とおく。 したがって ZM=Xo-Ro

ページ6:

れくだくしたがってn+1≦n*)と仮定
x+1
=
T*Cと(12.9)とから,
していることに注意。
*
- -
Xñ1 (×0 - RX0) = X (X – Txo) – ZZ (60) XM (Z)
=
(T*)x=0
一方、(129) により、前(T-RX)=(Z)=1
この矛盾により n≧nが証明されたわけである。
12-3 抽象的積分方程式 (Fredholmの交替定理)
積分方程式 (12-1)の一般化である、次の方程式
(12.10)
(12-11)
y=xXC-TIC
y* = 1x* - 7*20*
を考える。 ただしTはXからそれ自身への完全連続作用素とする。
先に示したように,入≠0は、
(i) 同時にTおよびTのレゾンベント集合に属するかまたは
(ii) 同時に,TおよびTの固有値であるか
のいずれかである。
したがって、(i)の場合には、それぞれ任意のyex,y*ex*に対し、1つ、
かつただ1つの解xex,x**をもっている。
次に, (ii)の場合に方程式 (12-10) (12-11)が解をもつための必要十分
条件を調べてみる。
xxxxx
xx(x)=0を満足するとき、xx(または
xxxx)とは直交するという。
またE(CX)の任意の元とF*(CX*)の任意の元とが越している
とき、EとF*(またはF*とE)とが直するといい」
ELFX(またはF*⊥E)
で表わす。
b

ページ7:

ならば
固有値,M (2) T* の固有値とする。
xx0 = Txo, Mock =7kxc*
1x*(x) = x* (TX) = (7*30*)(6) = x* (x0)
となりx(x)=0を得る。したがって、次のことが言える。
(
T固有値M2 T* の固有値とする。 スキルならば」
入に対応するTの固有空間は、Mに対応するTXの固有空間さん
と直交している。”
定理 12.8
入≠0がTの固有値であるとする。
(したがってはT*の固有値でもある)。
(i) 方程式 y=ax-Txが解xをもつための必要十分条件は,yが
入に対応するTAの固有空間
と直交すること、すなわちynと
なることである。
(ii) 方程式 y* = lack-Trackが解をもつための必要十分条件は、
で直交すること、すなわちyna
yが入に対応するTの固有空間
となることである。Gal
(Proof)
(i) y=axc-Tacが解xをもったとする。
このとき、x={ex:xxx=T}に対し,
1
x* (y) = 2x*(x) = x* (Tx) = (x* -T*x*) x = 0
ゆえにynaである。
逆に、y⊥とする。このとき、YER(LI-T)であることを示せばよい。
R(AI-T)が Xの閉線形部分空間であることに注意する。(実理12・2参照)
もしYER(AI-T)であるとすると、Hahn-Barachの実理 (約6.4)から、
7

ページ8:

y*(Ex*)がX上で連続であるから,VはXにおける開集合で
ある。定理 12.2からR(LI-T)はXの閑線形部分空間
それゆえ Banach空間と考えられる。
したがって,入I-TはBanach空間×から Banach空間 R(AIT)の上への
有界線形作用素;ゆえに開写像定理(定理4-5)により,Xの開集合Vの
オーTによる像U=(AI-T)(V)が(R(AIT)における)開集合になる。
結局、UはR(AI-T)における0の近傍で、かつf(){S:13K}
これはfがZ=0で連続であることを示している。
さて、fはR(AI-T)(CX)上で連続(すなわち有)な線形汎関数で
あるから,Hahn-Banachの定理(定理62)によって
x*(₹) = ƒŒ) (ZE R(AI-T)), ||x*|| = ||f|l|
を満足するxc*x*が存在する。
)
この水は方程式y=xxxxxxの解であることが、
(12* -7*xc*) (c) = x* (2x-Tx) = f (20-Tx) = y* (x) (xEX)
からわかる。
上の定理において」がy=xx-Tの1つの解であれば、
y=xxc-TXの任意の解は、Xと入の元との和で表わされる。
なぜならば、入(x-x)=T(x-xco)のゆえ,x-xeniとなるから、
方程式 y=ax-Tについても同様のことが言える。
以上をまとめて次の実理が得られる。
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ページ9:

(y)(Z)=0 (ZER(AI-T))
を満足するようなxx*が存在する。
0 = x** (xx-Tx) = (x* -7*x*x) x (xEX)
のゆえ、入x-T*2=0,すなわちXen
。
という仮定から(y)=0。これはX* (y)キロに矛盾する。
(ii) y=ax-Tが解をもったと仮定すると、
xena
=
{xEx:xx=Txc}に対して
**(x) = (2x* - 7*x*)x = x*(ax-Tx) = 0,
すなわちynである。
逆に、ynaとする。R(入I-T)上の汎関数子を
f(x) =y*(sc) (Z=入x-TER(AI-T))
により定義することができる。
実際、AC-Toc = AI-ToC2ならばィー∈naであるから、
y*(x-x2)=0」すなわち y*(x)=yx()となり、Z=xx-Tacに対して
f(x)が一意的に定まるからである。
そして、fはR(AI-T)上の線形汎関数であることが容易にわかる。
次に、fが連続であることを示す。
fの線形性からZ=0で連続であることを示せばよい。とかるから
いても同様のことが言える。
270を任意に与え、
if()}}
U={zeR(I-T): f() <2}
V={xx:10<8}
とおくと、fの定ギからU= (AI-T)(V)。
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ページ10:

定理12.9 (Fredholmの交替定理)
TはBanach空間Xからそれ自身への完全連続作用素、1キロは
与えられた複素数とし、方程式
(N) y=ax-TIC
を考える。このとき
(N) y=xx-Track
(i) 方程式(N)(N*)が、それぞれ、任意のyex,y∈火に
対し、同時に1つ、かつただ1つの解xEXXX* をもつか
または
(ii) 斉次方程式
(H) 0=1x-TIC
が同時に以外の解
のいずれかである。そして
(H*) 0=2x*-T*k yaşık
をもつか
(ii) (ii) の場合には,(H)および(H)は、ともに有限個の1次独立な
解きもち」かつそれらの個数は等しい。
そしてこのとき、方程式(N)((*))が解x(x)をもつための必要
十分条件は,y(y*) が斉次方程式 (H*) ((H)) のすべての解と
直交することである。
さらに、方程式 (N) ((*)) の一般解は (M) ((N*))の特殊解と
の一般解は(N)((N*))の特殊解と
(H) ((H*) の一般解の和として得られる。
)

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