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数列を中心にして
69 等比数列(複利計算)
1.03=2.09 とする.
毎年1回α 万円を年利率3%で24回積み立てたとき, 24年後の利息
を含めた積み立て総額は
4万円である.
(2) 100万円を年利3%の複利で年のはじめに借り、その年から元利を毎
円ずつ返済し、25回で完済するものとする. x 円である。
ただし、 答えは千円未満を切り上げたものを答えよ.
(1) =1.03 とする. 2.09 である.
1年目の最初に預けたa万円(1回目の積み立て金)は、1年目の末に3%の利
息がついて 1.03 万円,すなわち α7 万円になっている。このα万円は2年目の末
に3%の利息がついて or万円になる。このようにして、1年目の最初に預け
た。 万円は24年目の末に α万円になる.同様に、
2年目の最初に預けた万円(2回目の積み立て金) は ar²23 万円,
3年目の最初に預けた
24年目の最初に預けた万円(24回目の積み立て金) は αr 万円
となる。したがって, 24年後の利息を含めた積み立て総額は、
ar(2-1)
ar+ar+ar+ +ar="
r-1
X
As-1-²-1=₁ A₂-
[4]
これより、数列{A
数列であり、初項はA.-
X
は α7万円,
万円(3回目の積み立て金)
1.06 106
0.03 3
(2回目の返済をした後の元利残高を A. とする. A = 100×10' である.
回目と1回目の返済後の状態に注目すると、
Ap=rlax
が成り立つ。これを変形すると.
r-1
a(²5-r).
r-1
X
a(2.09-1.03)
1.03-1
a=
は公比rの等比
( 岡山商科大 )
であるから、
a
an+1=pan+q (p=0.1) の形の漸化式は,
α=pa+g を満たすαを用いて、
a+α=plan-α)
の形に変形する.
本間のαは、 a=ra-xより,
(r-l)a=x
a=
X
r-l
An-7-²-1-(40-2²1)
Ap
T
x
A₁ = (40-72₁
An
1
25の場合を考えると,
A250
Ax=40-7²1) ²+²1
25+.
r-1
r-1
0=100×10^-
x
0.03
×2.09+
0=(3×10^-x) ×2.09+x
であり, Ap=100×10', A2=0, 2.09 であるからなので、1,100万
Aは返済後の段
高であり、完済してい
T. As=0
11
としているから、公比をかける回数に
注意する。 つまり、
ではない!
文系
数学の必勝ポイント
数列を中心にして
X
0.03
1.09x=6.27×10^
...x = 5.7522 ×10^
したがって、千円未満を切り上げると、求めるべき金額xは、
x=58000円
解説講義
積み立ての問題、借金の返済の問題は、等比数列の実生活における応用例の1つとして出
題される。 出題数は決して多くないのであるが、理系よりも文系での出題が目立つので本書
で扱うこととした.
(1) は, 毎年、一定金額を積み立てていく問題である。 1回目の4万円の入金を2001年1
月1日に行ったとすると、このα万円には2001年12月31日に利息がついて × 1.03万円
になる。 このax 1.03 万円には 2002年12月31日に2回目の利息がついて × 1.03²万円
になる。 このようにして, 1回目に入金した。 万円には2024年12月31日に24回目の利息
がついて。 × 1.03 万円になる. (これが 「複利」と言われるものである)
2002年1月1日に2回目のα万円の入金を行うが、この万円は2024年12月31日に23
回目の利息がついて a × 1.03万円になる. そして、2024年1月1日に24回目の万円の
入金を行うが、このα万円は2024年12月31日に1回だけ利息がついてa×1.03万円にな
る。「最後の万円に利息がつかない」と誤解しないようにしよう。 (もし利息がつかないと。
預金したのに銀行が利息を支払っていないということになる)
結局2024年12月31日には、1回目に入金した。 万円はa×1.03 万円に、2回目に入
金した。 万円は×1.032 万円に, そして24回目に入金した。 万円はa×1.03 万円になって
いるから,これらの合計が24年後の積み立て総額である。
(2)は複雑である。借り入れた100万円に利息がついて借金の残高が増える同時に、支払い
によって借金の残高は減る。 そこで、1年目からの残高の変化を考えると混乱してしまいそ
うなので、n回目とn+1回目の返済後の残高の関係に注目して漸化式を立てて考えている。
積み立ての問題
① 利息がつく回数に注意して、 等比数列の和で総額を求める
② 借金の返済では漸化式も有効である
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