問題1
A国は、B国との間に相互の安全保障体制を構築するべく、2国間条約を締結
【設問】
し、その実施のための国内法も制定した。その後、A国の裁判所において、 憲法違反の条
約であるとして、同条約が無効であると判断され、同国の最高裁判所もこれを支持したた
め、裁判所の判断は確定した。これを受けてA国は、B国に対して同条約は無効であるか
ら、同条約の履行を拒否すると通告した。なお、AB両国は「条約法に関するウィーン条
約」(条約法条約)の当事国である。
【設問】
B国は、条約法条約に照らして、A国の通告を認める必要があるか?
問題2
【設問)
る小麦やトウモロコシの輸出に依存している。他方、D国はいわゆる先進工業国であるが、
農産物も自国で生産し、輸出もしているが、小麦やトウモロコシについては、他国から輸
C国は農業国であり、発展途上国である。C国の経済は、その主要農産物であ
入もしている。
C国では、反D国政権が成立し、ことある毎にD国を非難していたが、これをこころよ
く思わなかったD国は、C国に対して反D国政策の放棄を求め、それがなされない場合に
は、C国からの小麦やトウモロコシの輸入を停止すると通告した。
【設問)
その主張の当否について述べなさい。
C国は、D国のこの通告を一般国際法(慣習国際法)に違反すると主張した。
問題3
【設問】
公海に所在する民間船舶内で人の死亡·傷害事件が生じた。
当該死亡·傷害事件について、いずれの国が刑事管轄権を行使することができ
【説例)
るか?「海洋法に関する国際連合条約」(国連海洋法条約)の規定にしたがい、回答し
なさい。