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97 思考力 同位体の存在比 地球上の元素の多くは、質量の異なる同位体がほぼ一定の割合で混
ざって存在している。 例として、 水素, 炭素, 塩素, 臭素の主な同位体の相対質量とそのおよその存在
比を表1に示した。
元素
塩素
同位体
35 CI 37Cl
81 Br
相対質量
35
37
79
81
存在比 (%) 100 100 75
25
50
50
表1 同位体の相対質量と存在比(整数値; 存在比2%未満の同位体は省略)
1 x 1 × 0.75 × 100 = 75 (%)
12C¹H335CI
水素
CHBr3
¹H
1
炭素
12C
12
70
同一の化合物にも質量の異なる分子が存 図1
在するので,分子の質量はある分布を示す。
在50
たとえば, CH3 CI および CH2Br の質量の
分布を上の表1の値を使って計算し、プロ 〔%〕30
10
ットしたグラフを右の図1に示す。 ただし,
横軸の目盛りの間隔は2とした。
右の図2のグラフア,イは次の①~ ④
の化合物のうち、いずれかの質量分布を表存
している。ア, イに当てはまる化合物とし
在50
比
〔%〕 30.
て最も適当なものを、①~④のうちから
一つずつ選べ。 ただし, 図2においても,
横軸の目盛りの間隔は2としている。また,
図2は横軸の数値を省略している。
① CH2Cl2 ② CH2Br2
③ CHCla
70
10
79Br
12C1H337CI
臭素
50
〔%〕 30
1×1×0.25×100
〒 25 (%)
50 52相対質量
CH3Cl
ア
CH2Cl2
相対質量
70
1 ×1 × 0.50 × 100=50(%)
12C1H37ºBr 12C1H3 81Br
存在
[10]
70
50
[%] 30
10
90 94 96相対質量
CH3 Br
all
相対質量
イ
CHBr3
97 ア・・・①・・・ ④
選択肢のそれぞれの化合物に
ついて相対質量が最も小さ
い分子の存在比を求め,ア,
イのグラフと比較する。
① CH2Cl2のうち, 相対質
量が最も小さい分子は,
12C1H235 Cl2 であり、その存
在比は,
1 ×1 × 0.75² × 100
= 56.25 (%)・・・ア
② CH2Br2 のうち, 相対質量
が最も小さい分子は,
12C1H27 Br2 であり、その存
在比は,
1 X 1 X 0.50² × 100
= 25 (%)
③CHCl のうち, 相対質量
が最も小さい分子は,
12CH35Cl3 であり,その存
在比は,
1 x 1 × 0.753 x 100
= 42.18... (%)
④ CHBr のうち,相対質量
が最も小さい分子は,
12C1H7Br3 であり,その存
在比は,
1 X 1 X 0.50³ X 100
= 12.5 (%)・・・イ
なお, C, Cl, Br について,
より正確な同位体の存在比は
以下の通り。
12C・・・98.93%, 13C・・・ 1.07%
35CI・・・75.76%, 37CI・・・ 24.24%
7 Br・・・ 50.69%, Br・・・ 49.31%
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