【読解 雑草をなくす方法
いながきひでひろ
雑草はなぜそこに
生えているのか
稲垣栄洋
課題 一般論とは異なる理論の読み取り
植物にとって、強さとは何だろうか。
イギリスの生態学者であるジョン・フィリップ・グライム(一九三五)は、植物の成功要素を三つに分類した。
それが、「CISIR三角形理論」と呼ばれるものである。この理論では、植物の戦略はCタイプ、Sタイプ、R
タイプという三つに分類できるとされている。
Cタイプは競争を意味する「Competitive」の頭文字を取っている。日本語では、競合型と呼ばれている。この5
Cタイプは他の植物との競争に強い。 いわゆる強い植物である。
自然界では激しい生存競争が繰り広げられている。しかし、強い植物であるCタイプが、必ずしも成功すると
は限らないところが自然界の面白いところでもある。
自然界には、他の成功戦略もあるのだ。
Sタイプは「Stress tolerance」であり、ストレス耐性型と呼ばれている。
「ストレス」という言葉は、現代社会に生きる人間だけのものではなく、植物の世界でもストレスはある。 スト
レスとは生育に対する不適な状況である。たとえば、植物にとってはカンソウや、日照不足、低温などが生存を
脅かすストレスとなる。 Sタイプは、このようなストレスに強いのである。水のない砂漠に生えるサボテンなど
は、Sタイプのテンケイだろう。あるいは、氷雪に耐える高山植物もSタイプの特徴をもっていることだろう。
競争に強いばかりが、強さではない。じっと耐える強さも、また「強さ」なのである。
三つ目のRタイプは、 「Ruderal」である。 Ruderal は直訳すると「荒地に生きる」という意味だが、日本語では
攪乱依存型と呼ばれている。
かくらん
攪乱とは文字通り、環境が掻き乱されることである。
いつ何が起こるかわからない「攪乱」は、植物の生存に適しているとは言えない。しかし、攪乱があるところで
は、強い植物が必ずしも有利ではない。強い植物が生えないということは、弱い植物である雑草にとっては、チ20
ャンスのある場所なのである。
Rタイプは、このような予測不能な環境の変化に強い。
e
ステップ
3
評論
Ⓒ
要旨をつかむために!
1 理解を深めよう
要約のための確認
話題
植物にとって強さとは
… 「CIS|R三角形理論」
強い植物|
B
タイプ
→成功するとは限らない
筆者の注目している点
雑草
臨機応変に
○筆者の主張
【各1点】
タイプの要素・・・強
を乗り越える
→生存のチャンス
雑草をなくすには・・・
雑草を とかない
→森雑草は生育できない
こと