1. シュウ酸(COOH)₂の半反応式を作れ。
半反応式の作り方
(COOH)₂→2CO₂ ←これは覚えます。
1. 両辺のOの数を、H₂Oで揃える
(COOH)₂→2CO₂
2. 両辺のHの数を、H⁺で揃える
(COOH)₂→2CO₂+2H⁺
3. 両辺の電荷をe⁻で揃える
(COOH)₂→2CO₂+2H⁺+2e⁻
※シュウ酸をC₂H₂O₄と表記してもかまいません。
2. KMnO₄aqの濃度cのモル濃度を求めよ。
酸化還元反応は還元剤から酸化剤に電子が移動する反応と解釈できます。
還元剤から出される電子の数と、酸化剤が受け取る電子の数が常に等しくなるということを利用して問題を解きます。
まずKMnO₄が酸化剤、(COOH)₂が還元剤です。
それぞれの半反応式を考えて
MnO₄⁻+8H⁺+5e⁻→Mn²⁺+4H₂O
(COOH)₂→2CO₂+2H⁺+2e⁻
ここから、KMnO₄は1molで5molの電子を放出します。
(COOH)₂は1molで2molの電子を放出します。
ですから、
KMnO₄のmol×5mol=(COOH)₂のmol×2mol
この式がなりたちます。(この式は酸化剤と還元剤が受け取ったり放出したりする電子のmolを求めています。)
mol=モル濃度mol/L×体積L
濃度をcとする。
c×16.0×5=0.0500×20.0×2
c=0.025mol/L
3. 酸性にするのに硝酸を用いることができないのはなぜか。
水溶液中の硝酸が酸化剤として働き、還元剤であるシュウ酸を酸化させるから。
塩酸も同様に用いることはできません。
塩酸が電離してCl⁻が出てきてこれが還元剤として働くからです。
とりあえず、ここまでが標準的な問題ですから解けるようになってください。
イオン反応式は酸化剤、還元剤の2つの半反応式を合わせたものになります。
ただし、電子が残っていては半反応式のままですから電子の係数を揃えてください。