【前提】
❶国家の崩壊は、基本的に、財政の硬直化です。
歴史上、外国からの侵略による崩壊も多々ありますが、よほどの国力差が無ければ、軍事費を増やせば対応できたりします。
例1:元寇を日本は撃退しましたが、御家人に対する恩賞を与えられず、御家人も九州防衛に費用がかかり借金づけになり、それゆえ、鎌倉幕府は信用を失っていきます。侵略を防げたが、鎌倉幕府は崩壊した。
❷国内問題も、財政に余裕があれば、なんとかなります。例え、その施策が正しくなくても、国内の均衡を保つ事はできます。
例2:江戸幕府も、幕末、黒船の対応を上手くできなかったが、財政的な問題もあり、動きにくかった。島津藩も、財政的にはしんどかったが、借金を事実上踏み倒したりして、財政の自由度(健全化)があったので、自由に行動できた。あと、琉球を使った密貿易とか色々していましたからね。
ソ連の場合、
❶米ソ冷戦で、多額の予算を軍事費に充てていた。
そもそも、経済規模がアメリカより小さいので、アメリカと対等に軍拡なんてできない。
※アメリカが異常で、世界一の大消費地であり、アメリカに物を売る(輸出する)ことでしか、他国の経済が回らない。これは日本が良い例。
そもそも、アメリカとの軍拡競争は、経済規模からして無理ゲーなのですが、民主主義ではないソ連は、抑圧的な内政で、それを保っていた。
❷令戦のため予算の自由度が無い。
当然、国内に無理がたたります。金をかけていたら、防げたかも知れない事件が、運悪くというか、しかるべき当然としておこります。
チェルノブイリの原発事故です。
原発事故の対策にさらに、予算を圧迫します。
❸軍事行動による更なる出費
時系列的には、チェルノブイリの原発事故より先ですが、
ソ連のアフガン侵攻による出費が財政を圧迫した要因です。
軍拡にも金はかかりますが、軍事行動は、もっと金がかかります。
★それでも、戦前の日本もそうですが、苦しい経済や財政の一発逆転を夢見て、戦争をする(せざるを得なくなる)のです。
アフガン侵攻は、米ソ冷戦上、インド洋の不凍港を求め南進する通過点としてアフガンが必要だった。(極端な話、山しか無いアフガン自体に魅力は無い。)
そのアフガンの新ソ連政府が、軍事的な応援を頼んできたら、軍事作戦をせざるおえなかったのだと思います。
そして、難治の国であるアフガンに介入することで、財政を圧迫していきます。
❹結局、ゴルバチョフ大統領が国内改革をしていくのですが、その事により、さらに、国内に歪みも生まれます。
財政破綻をしないために、経済的な改革をするのですが、改革するにもお金がいりますからね。
で、ゴルバチョフ大統領も、改革は成功せず、国内経済は、混乱して、国家が解体されていきます。
【最後に、これからの未来を考える】
日本もアメリカも、世界も同様。
資本主義経済は、大きなネズミ講なので、いずれ破綻します。
社会主義より、資本主義の方が、経済面や財政面でマシだっただけ。
日本の場合、
❶日本も、バブル崩壊から失われた30年で、経済的にも財政的にもはしんどい。
❷経済が回らないから、設備投資をケチるので、福島原発事故を起こしている。
❸もし、更なる出費があれば、日本もヤバい。(周辺の国での有事、それを見据えて防衛費を国債をだして増額しようとしている。)
戦争でなくても、南海トラフがらみの大地震が起これば、多分、財政がヤバいことになるを思います。
❹失われた30年は、総人口はほぼ同じで、労働人口が減っていましたが、これから、急激に、総人口と、労働人口が減ります。
冷静に考えて、1億2千万人の時の借金を、それ以下の人口で返済するのは、無理ゲーですからね。
アメリカの場合
一見アメリカも、経済でも政治でも軍事でも一番に見えますが、
経済的には結構しんどいです。
長くなってきたので、これくらいにしますが、ソ連の崩壊を学ぶ事で、我々の未来についても考えてもらえるとありがたいです。
誤字修正
×そのアフガンの新ソ連政府が、
○そのアフガンの親ソ連政府が、