世界史
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世界史Bで
1925年に中国で五・三○運動が起きたのはなぜですか

回答

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五・三〇運動は、1925年に上海で発生した外資系企業への大規模なストライキ運動です。

アヘン戦争以来、中国市場には列強諸国が進出し、日清戦争後の中国分割によって中国は列強の半植民地状態となっていました。特に上海は各国資本の中国における商業活動の拠点となり、欧米風の立派な建築がずらりと並び、「東洋のパリ」と形容されたほどでした。特に英米系資本である浙江財閥は有名ですね。
そんな豊かな上海でしたが、物事には必ず光と影があります。浙江財閥のように列強諸国との商売で成功した中国人もいましたが、同時に地方からは上海に出稼ぎ労働者が大量に流入し、スラム街が形成されていました。このスラム街に住むような、外国資本にこき使われる貧しい中国人労働者の間に、反列強・反帝国主義の思想が湧きあがり始めます。

そして1925年に五・三〇事件が発生します。発端は日本系企業の工場で発生したストライキでした。日本人の監督官がストライキを主導した中国人労働者の1人を射殺したことに、上海中の中国人労働者たちが激怒し、一斉ストライキが始まりました。列強からしたらストライキを起こされたら商売になりませんから、鎮圧のために日本やイギリスをはじめ各国が軍隊を派遣し、多くの死傷者が出る惨事となりました。

結局、五・三〇事件は鎮圧されたわけですが、以降も上海では反列強・反帝国主義の思想が燻り続け、上海を拠点に中国共産党の勢力が拡大していくことになります。
時代はソビエト連邦ができたばかりで、コミンテルン主導で各国において共産主義運動が盛り上がり始めた時期でした。事態を重く見た浙江財閥は、国民革命軍司令官の蒋介石に対して「上海の目障りな中国共産党をどうにかしろ」と指示をとばします。こうして発生したのが上海クーデタです。

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