問9 急性心筋梗塞であってますよ。
ただ、理由としては、ST上昇だけでは不十分です。
なぜなら、労作性狭心症はST低下ですが、安静狭心症や異形狭心症では、ST上昇だからです。
すなわち、ST上昇だけからだと、急性心筋梗塞も考えられますが、安静狭心症や異形狭心症も考えられます。
なぜ、急性心筋梗塞だと言い切れるかというと、
心筋傷害を表すトロポニンTやAST、LDH、CKが上昇しており、
胸痛発症時間が長く、
ニトログリセリンで直らない、ことです。
狭心症ではニトログリセリンで直ることが一般的ですし、トロポニンTなどは上昇しません。
ちなみに、安静狭心症や異形狭心症は朝方起きることが多いので、今回の発生時間朝5時というのは、
安静狭心症や異形狭心症を疑う時間ではあります。なので、とりあえず、
ニトログリセリンを投与したものだと思われます。
ちなみに、心筋梗塞でどこの誘導でSTが上昇しているのか、で、心筋梗塞が起きている場所が予想できます。
すなわち、心筋梗塞=2、3、avfのst上昇、ではありません。
例えば、心筋梗塞が心臓の前壁中隔で起きている場合は、V₁~V₄でSTが上昇します。
ちなみに、今回は、2、3、avfのSTが上昇しているから、下壁の心筋梗塞になります
なので、今回の理由としては、2、3、avfのという部分は必要ないです。
この心筋梗塞が急性ではなくなると、冠性T波が現れますよね
問10 あってますよ
ちなみに、赤丸の部分では心室頻拍が、
青丸の部分では心室期外収縮が、起きていますよ
心室頻拍と心室期外収縮の違いは、
幅広いQRS波が3拍以上続けば、心室頻拍
幅広いQRS波が3拍以上続かなければ、心室期外収縮になります。
また、よくあるパターンなのですが、黄色の丸の部分では、T波の頂上に心室期外収縮が重なってしまってます。
このように、T波の頂上に心室期外収縮のR波が重なってしまう(このことをRonTと言います)と、今回のように心室細動が起きてしまう可能性があり、非常に危険です。
無視ですか?