国立銀行条例は当初、民間の資本を使って正貨兌換の紙幣を発行させようというねらいで設立されましたが、民間にそこまでの資本はなく、4行しか国立銀行が設立されませんでした。銀行を設立させ金融制度を整えようとした政府のねらいはうまくいきませんでした。
そこで政府は正貨兌換の義務を除いた条例の改正を行います。ただ、銀行がどんどんと設立され、大量の不換紙幣を発行されてもインフレをまねくことになりますから、政府は金禄公債証書の金額に応じて不換紙幣を発行して良いことにします。そうすれば金禄公債証書をもっている士族が銀行に出資し、それによって士族は利益を得られることにもなるので、不換紙幣の発行額を制限しつつ、士族に経済的利益を与えることになる政策だったのです。ただし、この時期に西南戦争がおき、その戦費に政府も多額の不換紙幣を発行したため、激しいインフレーションをまねいてしまうことになりました。
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